純金積立を調べると「やめとけ」という意見が見つかり、始めてもよいのか迷う方もいるでしょう。
少額から金を購入できる手軽さがある一方、手数料や値下がりのリスクは、申し込みの前に知っておきたい点です。
ただし、純金積立が誰にとっても不向きなわけではなく、少額から金への投資を始めたい方や、複数の資産に分散投資したい方には選択肢となります。
本記事では、純金積立は「やめとけ」といわれる6つの理由とメリットを解説します。
この記事のポイント
・純金積立に向いている人の特徴と金投資の選び方を解説
純金積立とは

純金積立とは、毎月決めた金額などで金を継続して購入する方法です。
定額積立では、金価格が高いときは少なく、安いときは多く買い付け、購入した重量を積み上げていく方法が一般的です。
なお、残高が10gに増えても、その10gを売って受け取れる金額はそのときの相場によって変わり、長期の積立でも元本保証はありません。
積立を続けるほど利益が増えるとは限らず、払込総額を下回る可能性もあるため注意が必要です。
証券会社や貴金属取扱会社などで始められる
純金積立は、証券会社や貴金属取扱会社などで始められます。
証券会社で始める場合、証券総合口座に加え、貴金属取引用の口座や利用申し込みが必要になる場合があります。
貴金属取扱会社では、専用の会員サービスに登録する方法が一般的です。
また、最低積立額や買付手数料は会社ごとに異なるため、続けられる金額か確認しましょう。
積み立てた金は売却や現物引き出しができる
積み立てた金は、取扱会社を通じて売却し、現金として受け取れます。
ただし、申し込みから入金までの日数は会社ごとに異なるため、支払期限がある場合は早めの確認が必要です。
また、現物引き出しに対応していれば、金地金や金貨として受け取ることも可能です。
その場合、加工費や送料などが別途かかることもあるため、現金化と現物受け取りの費用を比較しましょう。
将来、金を手元に置きたい方は、申し込み前に引き出せる最低重量と手数料を確認しておくことが大切です。
純金積立は「やめとけ」といわれる6つの理由

「やめとけ」といわれるのは、少額から始められる手軽さに対して、費用や値下がりのリスクが見落とされやすいためです。
金を購入するだけで利益が発生するわけではないため、純金積立で利益を得られるかどうかは売却時の価格などに左右されます。
短期の利益を求める場合は、手数料や売買価格差が特に負担になるでしょう。
ここでは、純金積立は「やめとけ」といわれる理由を解説します。
購入時の手数料や年会費が負担になる
純金積立では、金を購入するたびに買付手数料がかかる場合があります。
毎月の負担は小さく見えても、積立期間が長くなると支払総額は増えるため、手数料を含めて予算を組む必要があります。
例えば、毎月1万円の購入代金に対して手数料が2%かかると仮定すると、年間で2,400円の負担です。
同じ条件で20年間続ければ4万8,000円となり、価格変動とは別に資金が必要になります。
また、年会費のほか、積立を休止して残高を保有する場合に管理料が発生するサービスもあるため確認しておきましょう。
売買価格に差がある
通常、金の購入価格と売却価格には差が発生します。
この差を「スプレッド」といい、買付手数料とは別に損益へ影響します。
例えば、1gの購入価格が2万円、同時点の売却価格が1万9,800円なら、価格差は200円です。
手数料が無料でも、買った直後に同じ金を売れば、売買価格差の分だけ損失が生じてしまいます。
相場が動かない状態で金を売ると、購入代金を回収できないため、売買を短期間に繰り返すほど、この差が負担になりやすいでしょう。
保有だけでは利息や配当金を受け取れない
金は、保有しているだけで利息や配当金を生み出す資産ではありません。
株式では配当、不動産では賃料収入を得られる場合がありますが、金への投資では、基本的に売却代金から購入代金や手数料などを差し引いて損益を考えます。
例えば、追加購入をせずに10gの金を保有している場合、値上がりすれば評価額は増えますが、金そのものから定期的な収入が発生するわけではありません。
毎月の生活費を補う収入を求める方は、収益の受け取り方が目的に合っているか検討しましょう。
元本割れするリスクがある
純金積立には元本保証がなく、売却代金が購入にかかった総額を下回る可能性があります。
金は実物資産ですが、実物が残っていても購入時の金額が守られるとは限りません。
長く積み立てても、売却時の相場によっては損失が出るので注意しましょう。
なお、国内の金価格は、国際的な金相場だけではなく為替相場にも影響されます。
海外の金価格が上昇しても、円高が進めばその効果が小さくなる場合があります。
必要な時期が決まっている生活資金まで投じると、不利な価格で売らざるを得なくなるため、暮らしに支障がない範囲での購入を検討しましょう。
金価格はなぜ下落する? 暴落したタイミングと今後の値下がりの可能性を解説
NISAの非課税制度を利用できない
純金積立は「積立」という名称がついていますが、NISAの対象ではありません。
証券会社でも、金の積立購入をNISA口座の取引にすることはできず、利益への課税は取引の内容に応じて判断されます。
一方、金への投資すべてが対象外ではなく、金価格への連動を目指す金ETFなどには、NISAの成長投資枠で購入できる商品があります。
非課税制度を重視するなら、対象商品の信託報酬や売買条件も比較するとよいでしょう。
ただし、NISAを使っても値下がりするリスクは残るため注意が必要です。
運営会社が破綻するリスクがある
購入した金を運営会社に預ける場合、破綻時の扱いは保管契約によって異なります。
確認したいのは、金の所有権が誰にあるかと、会社の資産から分けて管理されているかの2点です。
消費寄託では、金の所有権が運営会社に移り、利用者は同種・同量の金の返還を求める立場になるため、預けた金の全量が返還されないリスクがあります。
一方、混蔵寄託など、利用者の所有権を維持して会社の資産と分けて管理されている場合もあります。
管理状況や返還手続きまで確認し、万一の場合の扱いを含めて比較しましょう。
純金積立のメリット

純金積立には費用や価格変動のリスクがある一方、まとまった資金を用意せず、継続して金を購入できるメリットがあります。
少額での購入ができるため、分散投資をしたい場合の選択肢になるでしょう。
また、毎回注文する手間がかからないため、仕事などで相場を確認する時間が少ない方も取り入れやすい方法です。
少額から金への投資を始められる
純金積立は、金地金1本分の購入資金がなくても始められます。
月1,000円から積み立てられるサービスもあり、家計に合わせて購入額を設定できる点がメリットです。
以下は、10年・20年続けた場合の購入代金の合計です。
| 毎月の購入代金 | 10年間 | 20年間 |
| 3,000円 | 36万円 | 72万円 |
| 5,000円 | 60万円 | 120万円 |
| 1万円 | 120万円 | 240万円 |
※手数料と運用損益を含まず、毎月同額を購入した場合の単純計算
売却代金が購入代金と手数料などの合計を上回れば、利益を得られます。
ただし、長期間積み立てても利益が保証されるわけではありません。
設定額を上げるときは生活費や預貯金とのバランスを見直し、無理のない範囲で続けましょう。
ドルコスト平均法を使える
ドルコスト平均法とは、値動きのある資産を一定額ずつ継続して購入する方法です。
定額購入のため、金の価格が高いときは購入量が減り、安いときは増えます。
以下は、1回あたり1万円の金を定額購入する場合の例です。
| 購入回 | 1g当たりの価格 | 購入金額 | 購入重量 |
| 1回目 | 1万円 | 1万円 | 1g |
| 2回目 | 2万円 | 1万円 | 0.5g |
| 合計 | – | 2万円 | 1.5g |
ただし、ドルコスト平均法は損失を防ぐ方法ではなく、下落が続けば元本割れします。
価格が上がり続ける場面では、最初に一括購入した方が有利なこともあるため、購入時期を分ける方法として活用しましょう。
インフレや経済不安に備えて資産を分散できる
インフレで物価が上がると、同じ金額で買えるものが減ります。
預貯金だけで資産を持っている場合、残高が変わらなくても購買力が低下するため、値動きの異なる資産を組み合わせる方法が有効となります。
通貨への不安や社会情勢によっては、資産の一部を金で持つことで、預貯金や株式への偏りを抑える選択肢となるでしょう。
ただし、物価が上がれば金も同じ割合で値上がりするとは限りません。
金だけで資産を守ろうとせず、すでに保有している資産との組み合わせで考えるとよいでしょう。
金がインフレに強いのはなぜ? 現金や証券とは別の資産を保有したい理由
純金積立が向いている人・向いていない人

純金積立が自分に合うかは、投資に何を求めるかで変わります。
少額で自動購入できる便利さを重視する場合と、売買コストを抑えたい場合では向いている投資は異なります。
純金積立のメリットが多いかどうかより、自分の目的や条件に合っているかが大切です。
また、長期保有を考えていても、急な出費があれば売却を迫られる可能性があります。
将来の収入や支出も踏まえ、生活に必要な資金と分けられるか確認しましょう。
純金積立に向いている人の特徴
純金積立は、余裕資金で金を少しずつ持ち、預貯金や株式などに偏った資産構成を見直したい人に向いています。
すぐに使う予定のないお金を充てられる場合は、短期の値下がりだけを理由に売却を急ぐ必要も小さくなります。
また、まとまった購入資金は用意しにくいものの、毎月一定額なら家計から捻出できる場合にも選択肢となるでしょう。
ただし、長期保有できるから必ず利益が出るとは限りません。
価格の変動を受け入れ、必要に応じて積立額を調整できる人に合った方法といえます。
純金積立に向いていない人の特徴
純金積立は、短期間で大きな利益を得たい人や、安定した収入を受け取りたい人には合いにくい方法です。
なぜなら、金は利息や配当を生まず、短期売買では手数料や売買価格差を上回る値上がりが必要になるためです。
また、近いうちに大きなお金を使う場合も、慎重に判断しましょう。
住宅購入費用などを金で準備すると、支払いの直前に値下がりし、必要額を確保できない可能性があります。
純金積立にこだわらず、必要なお金を確保する時期を考えて投資方法を選びましょう。
金投資をおすすめしない3つの理由とは? 初心者に適した投資方法を紹介
純金積立で失敗しないためのポイント

純金積立で後悔を減らすには、購入から売却までの流れを確認しておくことが有効です。
月々の積立額だけを決めると、現物を受け取る際の費用や、途中で投資を停止した場合の管理料を見落とすことがあります。
また、収入が減ったときや大きな支出を予定しているときには、減額や休止も含めて考える必要があります。
続けること自体を目的にせず、無理のない計画を立てましょう。
金への投資割合を決めて資産の集中を避ける
金を資産に加えるときは、毎月の積立額とともに、保有資産全体に占める割合を考えましょう。
分散のために始めても、購入を続けて金の比率が高まれば、資産全体が金価格の変動に左右されやすくなります。
まずは生活費や近い将来に使うお金を預貯金などで確保し、残った余裕資金の範囲で検討しましょう。
また、積立開始後も、年に一度など時期を決めて資産の配分を確認することが大切です。
金価格の上昇で比率が高くなったら、新たな買付額を減らすことも選択肢です。
金価格が高騰しているときも購入を急がない
金の値上がりを聞くと、今買わなければ機会を逃すように感じるかもしれません。
しかし、過去の値上がりが今後も続くとは限らず、購入直後に調整が起こる可能性もあるため、勢いだけで増額するのは避けたいところです。
一方、高値に見えることだけを理由に、将来の下落を断定することもできません。
価格の天井を当てようとするより、購入目的と継続可能な金額を先に決める方が判断しやすいといえます。
定額積立を選ぶ場合は、その仕組みを生かし、短期の値動きだけで増額を繰り返さないようにしましょう。
購入から売却までのトータルコストを確認する
純金積立の費用は、買付手数料だけでは判断できません。
契約前から売却時までに確認したい費用は、以下の通りです。
| タイミング | 確認する項目 | 比較するときの注意点 |
| 購入時 | 買付手数料・適用される購入価格 | 手数料が設定額に含まれるか、別途支払うか |
| 保有中 | 年会費・保管料 | ネット利用などによる優遇条件の有無 |
| 積立休止中 | 口座管理料 | 金を保有したまま休止した場合の費用 |
| 売却時 | 振込費用・適用される買取価格 | 購入価格との差と実際の入金額 |
| 現物引き出し時 | 引き出し手数料・加工費など | 受取重量や商品の種類による違い |
会社を比較するときは、同じ月額と保有期間を仮定し、支払う費用を並べてみましょう。
積立額が少ない場合、定額の年会費は購入代金に対して大きな負担になります。
長く続ける場合は、毎月の買付手数料に加え、年会費や保管料も含めた総額を比較しましょう。
途中の評価額がプラスでも、費用を含めると赤字になる可能性もあるため、手元に残る金額で判断することが大切です。
積立を始める前に売却方法と出口戦略を考えておく
金をいつ、何のために売るかを考えておくと、売却時の迷いを減らせます。
老後に少しずつ現金化したい場合と、一定量を現物で受け取りたい場合では、必要な手続きや費用が異なります。
また、税金が発生するケースにも注意が必要です。
金地金の売却益は原則として譲渡所得に分類されますが、純金積立の利益に対する課税方法は契約形態によって異なり、源泉分離課税が適用される場合もあります。
収入が減った際には、すぐに全量を売る前に、休止をして保有を続ける方法も検討しましょう。
純金積立以外の金投資の種類

金への投資方法は、純金積立だけではありません。
例えば、金地金や金貨を直接購入すれば、購入した現物を手元に置くこともできます。
形のある資産を保有したい方や、金貨の図柄や歴史も楽しみたい方は、他の金投資も比較するとよいでしょう。
ただし、現物を購入すれば純金積立より必ず有利になるわけではありません。
商品の種類によっては価格への上乗せがあり、自分で保管する場合は盗難や紛失にも備える必要があります。
また、金の重量や純度を基準として取引されるものと、希少性や収集需要が価格を左右するものでは、選ぶポイントが異なるため注意しましょう。
金のインゴット
金のインゴットは、金を精製して取引しやすい形に加工した地金製品です。
金そのものを直接保有する代表的な方法で、価格は主に金の重量や純度、そのときの金相場を基準に決まり、購入先によって別途手数料が加わります。
小型のインゴットは購入額を抑えやすい反面、加工などの費用が重量に対して割高になる場合があります。
大型なら重量当たりの費用を抑えられることもありますが、購入時にまとまった資金が必要です。
また、インゴットは通常1本単位で売却します。
小分けに加工するには別途費用がかかる場合があるため、少しずつ現金化したいなら購入時の重量も考えて選びましょう。
金のインゴットの重量サイズを比較!種類別の選び方と計算方法を解説
地金型金貨
地金型金貨は、主に金投資を目的に発行される金貨です。
取引価格は含まれる金の価値を基準とし、製造や流通などにかかる費用が上乗せされます。
小さな重量の金貨もあり、予算に応じて現物を保有しやすい点が特徴です。
また、複数枚に分けて購入すれば、必要なときに一部の枚数だけ売却できる点もメリットといえます。
ただし、金貨によって純度が異なるため、購入時は全体の重量と金の含有量を分けて確認しましょう。
金貨とインゴットはどっちを購入するべき? メリット・デメリットを比較
アンティーク金貨
アンティーク金貨は、過去に発行された金貨のうち、歴史や収集の対象として取引されるものです。
含有する金の価値だけではなく、現存数や保存状態、収集家の需要などが価格に影響します。
金貨によって評価が大きく異なり、資産として保有しながら、その時代の図柄を楽しめることが魅力です。
ただし、古い金貨であれば必ず希少価値が高くなるわけではなく、金相場が上がれば同じ割合で値上がりするとも限りません。
購入するときは、金の価格だけで割安かどうかを決めず、同種の金貨の取引状況や状態を確認しましょう。
また、希望価格で売れるまで時間がかかる可能性もあるため、短期の換金を前提にせず、専門店で説明を受けて選びましょう。
金投資のおすすめの方法は? 現物投資を中心に希少性の高い金貨の魅力を解説
【比較表】純金積立と他の金投資の選び方

金投資を選ぶときは、少しずつ買いたいのか、現物を所有したいのかを決めましょう。
以下の表に、純金積立と他の金投資の特徴をまとめました。
| 投資方法 | 購入・保有の特徴 | 価格を判断するポイント |
| 純金積立 | 少額から継続購入し、運営会社が保管 | 金相場と為替相場 |
| 金のインゴット | 重量別の地金を購入し、自宅保管などを選ぶ | 金の重量・純度と金相場 |
| 地金型金貨 | 予算に合う重量・枚数で購入して保有 | 金の含有量と販売価格への上乗せ分 |
| アンティーク金貨 | 個々の金貨を選んで保有 | 希少性や保存状態、収集需要など |
少額で継続購入したいなら純金積立、購入後すぐに現物を持ちたいなら地金や金貨が候補になります。
また、保有場所をどうするかによっても、管理の手間や費用は変わります。
アンティーク金貨は収集需要も価格に影響するため、金貨の評価を確かめてから購入しましょう。
アンティーク金貨の購入は専門店がおすすめ

アンティーク金貨は、写真や金の重量だけでは価格の妥当性を判断しにくいため、真贋や保存状態について説明を受けられる専門店での購入がおすすめです。
当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」は、各地のアンティークコインを取り扱い、取扱コインの真贋保証を設けています。
コイン選びの相談に加え、査定や売却の相談にも対応しているため、初めての一枚を選ぶ際にもおすすめです。
また、購入したコインを金庫で預かるサービスもあるため、自宅での保管が不安な方は選択肢となります。
金そのものの値動きだけではなく、歴史的な背景や希少性にも関心がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
アンティークコイン投資とは? 初心者もわかるメリット・デメリット
まとめ
純金積立は、購入時の費用や売買価格差があり、金価格の下落で元本割れする可能性があります。
利息や配当金も生まないため、積み立てれば確実に増えるとはいえない点も「やめとけ」といわれる理由でしょう。
一方、純金積立は少額で購入を続けられ、資産の一部を金に分けやすいメリットがあります。
生活に必要な資金を確保したうえで、手数料と売却条件を比較し、自分の目的に合うか判断しましょう。
また、現物を持つだけではなく、歴史や収集も楽しみたい方には、アンティーク金貨も候補となります。
利益を急いで求めず、予算と保有期間に合った方法を選びましょう。